いばらきの文化財

県指定 有形文化財 彫刻

木造 阿弥陀如来立像

もくぞう あみだにょらいりゅうぞう

大洗町

阿弥陀如来は西方極楽浄土(さいほうごくらくじょうど)の主尊で無量寿仏(むりょうじゅぶつ)、無量光仏(むりょうこうぶつ)ともよばれ、その浄土に住み永遠に衆生を救済する如来です。
西光院(さいこういん)の本尊で、檜造、右手を上に左手を下に向け、それぞれ二指を捻じた印を結んでいます。
頭部を耳の後ろで前後に矧(は)ぎ合わせています。そして、両肩、両袖も矧ぎ合わせ、両方の足は別の木を用いて、両手首は後補、胴体は前と後ろに矧ぎ合わせです。奈良時代は一本の大きな材木を、丸彫りしたものがほとんどでした。
仏像の髪は、螺髪(らほつ)といって大きめの粒状の巻貝のような形の巻毛が並んで、眼は彫刻であらわしており、水晶玉をはめたものではなく彫眼(ちょうがん)という古式の手法を用いています。
肩がはって衣文(えもん)は少し写実風で、胴体には全体に布を着せ、金泥(きんでい)を塗った跡が認められます。
鎌倉末期の作で、顔の表現から全体の感じの硬いのは地方仏師の作によるためと思われます。

木造 阿弥陀如来立像

1躯
指定年月日 昭和44年3月20日
所在地 東茨城郡大洗町大貫町802
管理者 西光院
制作時期 鎌倉時代 末期