茨城県教育委員会 > 芸術・文化 > いばらきの文化財 > 木造 阿弥陀如来及両脇侍立像

いばらきの文化財

県指定 有形文化財 彫刻

木造 阿弥陀如来及両脇侍立像

もくぞう あみだにょらいおよびりょうわきじりゅうぞう

那珂市

引接寺(いんじょうじ)の本尊とされる来迎形の阿弥陀三尊像です。
阿弥陀如来像は像高110cmの立像で、肉髻(にっけい)を低くあらわして大粒の螺髪(らほつ)を刻み、頬の肉付けなどは柔らかみがありますが、やや細めで吊り上がった両眼を付けて、厳しい表情にあらわしています。
体躯はやや細身に表現され、鎬のある衣文(えもん)を繁く刻んでいます。
全体に鎌倉時代の写実的表現を留めており、構造や技法などから同時代末から南北朝時代初めにかけて制作されたものと認められます。
この像の背面に刻まれた銘文には、常州那珂郡額田村の廃寺を徳川光圀が再興して、引摂寺(引接寺と同音)と名付け、元禄9年(1696)に「益誉和尚」を請じて開堂して、既に光圀が入手していた阿弥陀如来像の光背(こうはい)、台座を造り、荘厳(しょうごん)し、金泥塗(きんでいぬり)及び漆箔(しっぱく)を施し、潤色(じゅんしょく)し、本尊としたことが記されています。

木造 阿弥陀如来及両脇侍立像

3躯
寸法 像高110cm
指定年月日 昭和46年10月28日
所在地 那珂市額田南郷429
管理者 引接寺
制作時期 鎌倉時代(阿弥陀如来)
江戸時代(両脇侍)