いばらきの文化財

県指定 有形文化財 彫刻

木造 十二神将像

もくぞう じゅうにしんしょうぞう

水戸市

寄木造、玉眼嵌入(ぎょくがんかんにゅう)、漆箔(しっぱく)、彩色(さいしき)で、像高は74.0cmから81.5cmです。
薬王院(やくおういん)本尊薬師如来像を守護する十二神将像です。
いずれも檜材で、動きを表す多様な表現のため各像それぞれの木寄せを行い、漆下地白土地(うるししたじしらつちじ)に華麗な彩色(さいしき)や漆箔地墨描き(しっぱくじすみがき)を施し、当初のものもかなり残っています。
強い忿怒(ふんぬ)の相をきわだたせた顔立ち、大きな動きを示す肢体の形姿、着衣や唐様甲(からようこう)の表現など、やや誇張がみられるものの、変化に富み、激しい動勢を無難につくり、群像構成の効果を心得てまとめた作行は手堅いものです。
作風は鎌倉時代の巨匠運慶(うんけい)に代表される慶派(けいは)の風を踏襲していますが、大きく深い着衣の襞(ひだ)のとり方など鎌倉時代末から南北朝時代、14世紀前半頃の制作と考えられます。

木造 十二神将像

12躯
寸法 像高:74.0cmから81.5cm
指定年月日 昭和49年11月25日
所在地 水戸市元吉田町682
管理者 薬王院
制作時期 南北朝時代