いばらきの文化財

県指定 有形文化財 彫刻

木造 観世音菩薩立像

もくぞう かんぜおんぼさつりゅうぞう

下妻市

榧(かや)材、一木造、彫眼、像高154.8cmで、聖観音像です。
市内に現存する仏像で最古のものといわれています。
ほとんど抑揚なく直立した姿勢で、体部に背刳(せぐり)を施すだけで、肩も肘先まで一木彫成、臂釧(ひせん)も共木から彫出し、一部に荒彫風(あらぼりふう)のノミ目が残るなど彫法、構造など古様です。
観音像は、もと順貴山西照院光福寺(さいしょういんこうふくじ)のもので、土地の豪族肘谷氏(ひじやし)の守本尊(まもりほんぞん)と伝えられています。
寺が退転後、沼地に流出し、のち肘谷沼開発のとき発見され再び西照院に安置されましたが、明治に至って西照院が廃寺となるにおよび同地の念仏堂に移され、地元の人々の信心に守られてきました。
祭日が農繁期にあたり、豆をいり、供物としていたことから「豆いり観音」と呼ばれています。

木造 観世音菩薩立像

1躯
寸法 像高154.8cm
指定年月日 昭和59年3月8日
所在地 下妻市肘谷203
管理者 肘谷地区
制作時期 平安時代後期