いばらきの文化財

県指定 有形文化財 彫刻

木造 薬師如来坐像

もくぞう やくしにょらいざぞう

阿見町

この像は檜材製で、頭部、体躯(たいく)を通して一材から彫成し、肉を厚く残して内刳(うちぐり)し、割首(わりくび)、頭部のみ前後割矧(わりはぎ)とする古式の構造と技法を示しています。後世の修理で玉眼(ぎょくがん)に改造されていますが、当初は彫眼でした。
表面の漆箔(しっぱく)と両側の腰部に小材を挟む他は、後補部は比較的少ないです。
頭部がやや大きめで丸顔に近い表情を示し、体躯には浅目の衣文(えもん)が彫出され、体躯の厚みが減じていて、表情はやや抑揚が少ないのですが、全体の印象は素朴な中にまとまりがあります。
制作時期は11世紀初めから12世紀にかけての頃と見られ、恐らく当地方の仏師によって制作されたものと推定されます。現在、この像に付属する光背(こうはい)はほぼ同時代のものですが、一廻り大型で、他の像から転用したものです。
台座は江戸時代に制作されたものです。

木造 薬師如来坐像

1躯
指定年月日 平成5年1月25日
所在地 稲敷郡阿見町吉原2289
管理者 西光寺
制作時期 平安時代後期