いばらきの文化財

県指定 有形文化財 彫刻

木造 如意輪観音坐像

もくぞう にょいりんかんのんざそう

常総市

この如意輪観音坐像は、常総市法性寺(ほっしょうじ)の本尊で、法性寺は浄土宗第7祖である聖冏(しょうげい)(1341~1420)開山の寺と言われています。
この坐像は寄木造・玉眼嵌入(ぎょくがんかんにゅう)・漆箔(しっぱく)の半等身六臂像(ろっぴぞう)で、六臂の配置・座り方・立て膝あるいは上半身と下半身のバランスなどにしっかりした全体的構成を見ることができます。
光背(こうはい)の内部の空洞から発見された墨による銘記からは、この坐像が「きんあみだぶつ」「こんあみだぶつ」と呼ばれる2人から依頼され、仏師の加賀坊長慶により造られたものであることが判明しています。
銘記には、依頼主の2人が、当時、上野国佐貫庄青柳(群馬県)に住んでいたこと、仏師はこのとき45歳で同国世良田(せらだ)に住んでいたことも記されています。
頭部内の空洞には「きんあみだぶつ」が長慶に宛てた手紙も納められていました。

木造 如意輪観音坐像

1躯
指定年月日 平成7年1月23日
所在地 常総市豊岡町乙2002
管理者 法性寺
制作時期 1372年(南北朝時代)