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いばらきの文化財

県指定 有形文化財 彫刻

銅造阿弥陀如来立像 1軀 附旧支柱1本

どうぞうあみだにょらいりゅうぞう つけたりきゆうしちゆう 

笠間市

本像は、像高48.3cmで、肉髻地髪とも右回りの渦巻き型を中心とする、いわゆる波状髪となっています。通肩の衲衣、裙を着け直立し、左手はわずかに屈し、第二・三指を伸ばし他指は捻じ、刀印としています。右手は屈し、掌を正面に向け全指を伸ばしています。
台座蓮肉上に新補の支柱を立て、像底から中空部に差し込むことで自立しています。旧支柱は別に保管され、そこには「本尊阿弥陀如来御再興 信濃国善光寺四十八躰之内也 元禄十一戊寅七月日・・・」の刻銘があります。元禄11年(1698)7月に本尊の修理が行われており、その頃にはすでに浄乗寺に本像が伝来していたことがわかります。
善光寺式阿弥陀如来像の形式・作風として、他にあまり類例を見いだせない初発性や、比較的帯状の平板な衣文を表すところから、造立年代は、13世紀後半頃かと推測されます。
本像は、頭髪部が清凉寺釈迦如来立像と同じ、いわゆる波状髪ですが、体部は通肩の衣を付けて、左手の第一・四・五指を捻じ、第二・三指を伸ばす刀印を結ぶ、善光寺式阿弥陀如来像の形式となっています。すなわち清凉寺本尊釈迦如来と善光寺本尊阿弥陀如来に共通する、生身仏信仰を介して結びつけられた合体像と言え、中世の信仰世界を物語る貴重な遺例といえます。

銅造阿弥陀如来立像 1軀 附旧支柱1本

1躯
寸法 像高48.3cm
指定年月日 平成30年12月27日
所在地 笠間市平町291番地
管理者 浄乗寺
制作時期 鎌倉時代