いばらきの文化財

県指定 有形文化財 工芸品

銅板貼山伏笈

どうばんばりやまぶしおい

水戸市

総高81.5cmで、四脚式箱形で正面全面に薄手の銅板を貼る山伏笈です。
上部の山形には将軍地蔵を中心に左右に、不動明王(ふどうみょうおう)・烏天狗(からすてんぐ)・毘沙門天(びしゃもんてん)・竜樹菩薩(りゅうじゅぼさつ)を毛彫り、袋戸(ふくろど)は日輪(にちりん)の団円(だんえん)を付け、中央に役行者(えんのぎょうじゃ)・右に幡(はた)を持つ天狗・左に幡を持つ童子(どうじ)を表わしています。
扉は左右に五重塔(ごじゅうのとう)を表し、菩薩(ぼさつ)、飛天(ひてん)を添え、その他、蝶番(ちょうつがい)金具、小脇板(こわきいた)、倹飩板(けんどんばん)、腰羽目(こしばめ)などにも牡丹文(ぼたんもん)や梅、松、藤、鹿、小鳥、蓮池遊禽(れんちゆうきん)、梅に鴬(うぐいす)などの風情を盛っています。
両側面は脇扉を備えていますが、背面に、「天正十八年十一月十一日」(1590)の年紀を含む墨書銘(ぼくしょめい)があり、この笈の制作年代の下限を知ることができ、基準資料として、貴重な遺品です。

銅板貼山伏笈

1背
寸法 総高:81.5cm
指定年月日 昭和50年3月25日
所在地 水戸市六反田町767-2
管理者 六地蔵寺
制作時期 安土桃山時代