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いばらきの文化財

県指定 有形文化財 建造物

佛性寺観音堂・仁王門(附観音堂宮殿1基・棟札1枚)

ぶっしょうじかんのんどう・におうもん つけたりかんのんどうくうでん・むなふだ

八千代町

佛性寺は、天平11年(739)の草創と伝えられる天台宗寺院。境内は南向きで、仁王門を正面にして奥に観音堂が建つ。
観音堂は、棟札により延宝8年(1680)に結城の山川大工によって建立されたことがわかる。享保20年(1735)の寺地移転に伴って移築され、江戸後期には向拝が改造されたほか、昭和38年(1963)に茅葺屋根が鉄板葺きに変更された。総間19.1尺(5.8m)方形のやや小規模な三間堂で、正面に一間の向拝が付く。外観は全体的に和様だが、内部架構には禅宗様の形式を大胆に取り込んでいる。
天井は中央部を格天井、周囲を化粧屋根裏天井とする。化粧屋根裏は粗い扇垂木で、軒の地垂木とは別個の天井として設けられている。外部・内部とも、赤色塗料を主とした塗装が施され、内法小壁の内外及び内陣板壁などには壁画が描かれている。
また、内陣に安置される宮殿は禅宗様で桁行一間、梁間一間。屋根は正面を入母屋造として軒唐破風を付け、組物は三手先詰組、軒は二軒扇垂木としている。観音堂と同時期の造立と考えられる。
仁王門は安永3年(1774)に山川大工によって建立された間口20尺(6m)余りの三間一戸の楼門で、屋根は入母屋造である。昭和38年にもとの茅葺を桟瓦葺に葺き替えたが、それ以外は当初の状態がよく保存されている。楼門形式の仁王門は、県内では珍しい。

佛性寺観音堂・仁王門(附観音堂宮殿1基・棟札1枚)

2棟
指定年月日 平成29年12月25日
所在地 結城郡八千代町栗山476番地
管理者 仏性寺