いばらきの文化財

県指定 有形文化財 建造物

旧土肥家住宅 2棟

きゅうどいけじゅうたく 2とう

ひたちなか市

旧土肥家住宅は、もと新利根村(現稲敷市)の旧家である土肥家の主屋と隠居屋の2棟からなり、平成22年に国営ひたち海浜公園みはらしの里に移築復原されたものです。敷地には附属屋も含めて、移築前の屋敷構えを可及的に復原しています。
主屋と隠居屋はこの地方に広く慣習として伝わる隠居制度の実例でもあり、民俗的にも注目されます。
主屋はこの地方における最古の造りで、江戸時代前期に遡る関東地方でも数の少ない古民家です。隠居屋は部材の墨書により宝永3年(1706)に建築されたことが判明し、江戸時代前期の古い民家形式から江戸時代中期以降に普及する新しい民家形式への移行段階にあると位置付けられます。2棟はともに古四間取り、下屋鳥居形架構の形式で、この地方に独特な古い民家の造りとなっています。
茨城県内での最古級の主屋と江戸時代中期の隠居屋の2棟が共に今日まで残存するのは大変貴重であり、歴史的、学術的な価値が非常に高いと考えられ、また、2棟の造り方を比較することは、民家の17世紀から18世紀初期への技術的変遷を知る上でも重要です。

旧土肥家住宅 2棟

2棟
指定年月日 平成30年12月27日
所在地 ひたちなか市阿字ケ浦町字千駄切552番13
国営ひたち海浜公園「みはらしの里」
管理者 国土交通省関東地方整備局 国営常陸海浜公園事務所