いばらきの文化財

県指定 有形文化財 建造物

旧小松家住宅 1棟

きゅうこまつけじゅうたく 1とう

小美玉市

小松家は旧上玉里村の上層農家で、所蔵の「小松隆家文書」によると、元禄9年(1696)~寛政3年(1791)には上玉里村の庄屋を務めました。その後も、上玉里村戸長や旧玉里村村長を務めるなど、小松家は、近世から近代を通して玉里村の指導的な立場にあったと言えます。
旧小松家住宅は、もと旧玉里村上玉里にあった小松家の主屋が平成7年に同村に寄贈され、その翌年に玉里史料館民家園(現小美玉市民家園)に移築されたもので、可及的に建築当初の形式に復原されました。
建築年代は明確ではありませんが、庄屋を務めた18世紀後期とみられます。建物は茨城県内に広く分布した「曲屋」ですが、東側に突き出た馬屋がもう一つ曲がりを構成する「二つ曲がり」という珍しい様式をとっています。間取りも類例の知られていない形式となっており、素朴な造りの座敷や中の間の帳場・産部屋の存在、広間部分の整形四間取りなどが特徴的で、茨城県における民家の間取りと構造の発展を考えるうえで、重要な遺構であると言えます。

旧小松家住宅全景

旧小松家住宅 1棟

1棟
指定年月日 令和元年12月26日
所在地 小美玉市下玉里1831番地
管理者 小美玉市