いばらきの文化財

国指定 記念物 史跡

重要文化財

瓦塚窯跡

かわらづかかまあと

石岡市

瓦塚窯跡は、古代常陸国の窯跡である。昭和43年以降の調査により、南北130m、東西80mの範囲に合計35基の窯が築かれたことが判明した。操業は7世紀前葉から10世紀前葉に及ぶ。
窯構造は大半が地下式窖窯(あながま)である。7世紀前葉から中葉の須恵器生産に際して窯としての操業が始まり、8世紀前葉には須恵器とともに茨城廃寺(ばらきはいじ)の瓦を生産する瓦陶兼業窯となった。8世紀中葉の新しい段階には瓦専業窯となって、窯の数が増えるなど窯場としての規模が拡大し、瓦生産の画期を迎える。9世紀以降には瓦塚窯跡が国府窯として常陸国の中心瓦窯となり、茨城郡外の寺院にも瓦を供給するようになる。10世紀前葉には多数の窯が比較的短期間ごとに作りかえられつつ常陸国分寺の終焉まで操業される。
このように、瓦塚窯跡は古代常陸国における瓦生産の導入過程から、常陸国府・常陸国分寺の造瓦体制の確立及び終焉までを一遺跡で知ることができる点で重要であるとともに、一つの瓦窯としては窯の基数や密度においても突出し、遺存状態も非常に良好である。

瓦塚窯跡

指定年月日 平成29年10月13日
所在地 石岡市部原
管理者 石岡市
制作時期 7~10世紀