いばらきの文化財

国指定 記念物 史跡

重要文化財

泉坂下遺跡

いずみさかしたいせき

常陸大宮市

泉坂下遺跡は、市域の東端付近を流れる久慈川とその支流玉川との合流点から北西に約3km、那珂台地から東に下った久慈川右岸の低位段丘上に立地している。
平成18年の学術目的調査によって確認された再葬墓遺跡で、1号墓坑から検出された4個体の土器のうちの1点が人面付壺形土器だったことが注目された。常陸大宮市教育委員会が、平成24年度から発掘調査を実施してきた結果、再葬墓30基を確認し、墓域は大きく東西の2群に分かれ、東群では24基、西群は6基で構成されていることが分かった。いずれも弥生時代中期前葉に属している。また、16基の土坑については、一次葬のためのものである可能性が考えられている。
出土土器で注目されるのは器高77.7cm、口径14.0cmの人面付壺形土器で、この種の土器では最大であり、人面の造作は立体的で、人面部は赤彩されていたと考えられる。
本遺跡は、弥生時代中期前葉の再葬墓遺跡として、遺構の残存状況は極めて良好で、墓域の全貌が判明した貴重な事例である。墓域が東西の2群に分かれていたことは、再葬墓が営まれた原理を知る事例を提供するなど、弥生時代前・中期の東日本で特徴的な再葬墓遺跡の様相を知ることができるという点で重要である。

泉坂下遺跡

指定年月日 平成29年10月13日
所在地 常陸大宮市泉
管理者 常陸大宮市
制作時期 弥生時代