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いばらきの文化財

国指定 有形文化財 建造物

重要文化財

旧坂野家住宅 主屋・書院・文庫蔵・表門

さかのけじゅうたく おもや・しょいん・ぶんこぐら・おもてもん

常総市

主屋居室部の土間は豪農の家にふさわしく、木割の大きい柱・梁で構成された構架は豪壮で意匠も優れています。
「ひろま」前面の柱間3間は「れんじ」と呼ばれる蔀戸が吊られ、その上は欄間となっています。
また、19世紀中頃増築された座敷は、南から「一の間」「二の間」「三の間」と呼ばれ、「一の間」には床・棚があり、「二の間」との境には透かし彫りの欄間を入れ、長押には釘隠しを打つなど、豪農住宅の客室としてよく整っています。
表門(薬医門)は、本来武家屋敷に設けられることを考えると当時の坂野家の格式の高さが偲ばれます。
坂野家は1haに及ぶ広大な台地全面を敷地として、正面南に表門と塀を廻し、側面及び背面には竹垣を巡らしています。
主屋居室部は18世紀初め頃に造られた大型住宅として、それ自体珍しいものです。
さらに、座敷部は19世紀になって接客用の本格的な座敷として造られており、大型住宅の発展過程を知ることができます。
書院は、坂野家の歴代当主が文人墨客を招き、文化活動の拠点とした施設で、山岡鉄舟(しゅう)の軸等が掲げられています。また、各室における銘木の使用やガラス戸を多用した軽やかな構成は、上質な近代和風住宅の特徴をよく示しています。
文庫蔵は、明治初年(1868)の建築とみられ、書院東棟北から渡廊下で接続します。土蔵造、二階建、切妻造桟瓦葺で、重厚ながらも意匠を凝らした上質な土蔵となっています。

旧坂野家住宅 主屋・書院・文庫蔵・表門

4棟
指定年月日 昭和43年4月25日、追加指定 令和5年9月25日
所在地 常総市大生郷町2037
管理者 常総市
制作時期 18世紀初め