いばらきの文化財

国指定 有形文化財 建造物

重要文化財

椎名家住宅

しいなけじゅうたく

かすみがうら市

本民家は、桁行15.3m、梁間9.6mの茅葺、寄棟造の建造物です。
昭和45・46年(1970・1971)に解体修理が行われた際、差鴨居の柄から「延宝2年・・・」(1674)の墨書銘が発見され、年代が明らかな民家としては東日本最古のものであることが判明しました。
建物は南面して建つ直屋で、西側に土間、東側に部屋を配置しています。間取りは土間に面して板敷きの広間があり、この奥手に表から玄関・座敷・寝間の三室が並びます。
広間前寄り中央に上屋柱が独立柱として立っており、前面の格子窓には丸竹を用いるなど古い形式をもち、広間の後部は建具を立てて間仕切ってはいませんが内法まで壁が下がり、前寄りの広い板間と空間的に区別され、いろりが切ってあり、日常生活の場となっています。
広間から土間にかけては間仕切りの建具や天井がなく、広い空間をつくっています。
曲がり材を用いた梁組なども関東の古民家にみられる特徴であり、製材技法にも主要な柱は蛤刃の手斧仕上げ、仕切り戸の板などには槍鉋を使用するという古い要素をみることができます。

椎名家住宅

1棟
指定年月日 昭和43年4月25日
所在地 かすみがうら市加茂4148
管理者 個人
制作時期 1674年(延宝2年)