いばらきの文化財

国指定 有形文化財 絵画

重要文化財

紙本著色聖徳太子絵伝

しほんちゃくしょく しょうとくたいしえでん

那珂市

日本の歴史上著名な存在である聖徳太子は、後世様々に神話化・伝説化されてきました。これらは各宗派によって日本仏教共通の祖として取り入れられ、広く民衆の信仰を集め釈迦伝の影響なども受けながら、聖徳太子説話が絵画化されてきました。
本絵伝は、上宮寺の13代明俊が、石山合戦の戦功により、本願寺の顕如からもらったものと伝えられています。
太子の生涯の重要な事跡を選んで1巻にまとめたもので、詞書1段、絵14段からなり、詞書は太子の簡単な伝歴を記し、絵は「懐妊・誕生」の場面から始まり、太子没後22年「諸王子五重塔より昇天」の場面で終わります。
構図はゆったりして、描線も柔らかく、丹・朱・白線・緑青・群青などを使った明るい彩色法が穏和な画趣をつくり、大和絵の伝統を示しています。

紙本著色聖徳太子絵伝

1巻、紙継30枚
寸法 縦37.8cm、長さ739.4cm
指定年月日 大正4年3月26日
所在地 那珂市本米崎2270
管理者 上宮寺
制作時期 鎌倉時代