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いばらきの文化財

国指定 有形文化財 彫刻

重要文化財

木造 浮彫如意輪観音像

もくぞう うきぼりにょいりんかんのんぞう

城里町

縦8.4cm、横7.6cm、厚さ1.3cmの方形の板面の木材一材造りで、四周に額縁を残し仏龕(ぶつがん)様に彫っています。材質は白檀(びゃくだん)といわれています。平安時代に空海が刻んだとされていますが、中国晩唐時代の作で、日宋貿易による渡来品との説が有力です。
平重盛(たいらのしげもり)の主本尊と伝えられ、裏面に徳川光圀の陰刻した修理銘があり、像は右膝を立てる六臂(ろっぴ)の如意輪観音像(にょいりんかんのんぞう)と蓮華座(れんげざ)を高彫し、その光背(こうはい)を薄肉彫(うすにくぼり)に刻んでいます。
台座は三段からなる蓮弁(れんべん)で、光背は二重円相(にじゅうえんそう)、周囲に七個所の火焔(かえん)を設け、頭光(ずこう)に八葉(はちよう)、身光(しんこう)内部には、さいの目形が刻まれています。 
宝髻(ほうけい)に群青、化仏(けぶつ)と口唇には朱色の顔料、髪毛、口ひげなどは墨書(ぼくしょ)、表面は一面に漆様のものがひかれています。
全体的に顔付きは良く生気あり、身体は太く、衣文(えもん)も強く、大きさの割に精巧な技法を使い立体感が明確です。

木造 浮彫如意輪観音像

1面
寸法 縦8.4cm、横7.6cm、厚さ1.3cm
指定年月日 明治44年8月9日
所在地 東茨城郡城里町上入野3912
管理者 大久保尊元
制作時期 平安時代初期