いばらきの文化財

国指定 有形文化財 彫刻

重要文化財

木造 阿弥陀如来坐像

もくぞう あみだにょらいざぞう

茨城町

本像は、寄木造、漆箔(しっぱく)で、一躯(いっく)、像高84.3cmです。
もとは、水戸東照宮別当大照院(みととうしょうぐうべっとうだいしょういん)の本尊で、明治初期に円福寺(えんぷくじ)に移されました。
法界定印(ほっかいじょういん)を結ぶ穏やかな定朝様(じょうちょうよう)如来像で、一見して平安時代末ころの像容で、彫出しの螺髪(らほつ)、肉髻部(にっけいぶ)が細粒(さいりゅう)であるのに、地髪部(じがみぶ)は粗く粒の大きなのが目立ち、衣文(えもん)の彫り口も浅く鎌倉風が見られます。
一方、側面は薄手、背面もへん平で、鎌倉時代に入って保守的な作風によってつくられたものでしょう。
本像の両脚部裏に墨書銘(ぼくしょめい)があり、建保5年(1217)、初めて堂に安置し、次いで、応長2年(1312)および弘治3年(1557)、嘉永6年(1853)などに修理されたことがわかります。
制作年代は、銘文の建保5年をあまりさかのぼらない頃と思われます。
嘉永の修理には水戸の仏師が参加しています。

木造 阿弥陀如来坐像

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寸法 像高84.3cm
指定年月日 大正4年8月10日
所在地 東茨城郡茨城町鳥羽田656
管理者 円福寺
制作時期 平安時代末~鎌倉時代